膝靭帯損傷
膝の前後や横方向の安定性に必要な靭帯(ひも状、膜状の丈夫な組織)が、何らかの原因で損傷したものをいいます
膝の損傷の中では内側側副靭帯の損傷が最も多く、前十字靭帯と同時に損傷、又は断裂することが多くあります
ケースによっては前十字靭帯損傷と内側側副靭帯損傷と内側半月板損傷の三つを合併して損傷することもあり、それらの損傷を称して不幸の三徴候と言う事もあります
原因
膝は、内側の靭帯(内側側副靭帯)、外側の靭帯(外側側副靭帯)、膝内部の中心にある前十字靭帯、後十字靭帯の4つの靭帯と半月板、周囲の筋肉などで安定性が得られています
ケガやスポーツなどで膝を内側に捻った時には内側側副靭帯を
車の事故やコンタクトスポーツである柔道やラグビーなどで膝を前方から
ぶつけたりすると前十字靭帯を損傷します
前十字靭帯の発生機序は非接触型と接触型に分かれ、非接触型は単独損傷が多く、接触型は内側側副靭帯と合併します
症状
怪我をして間もない頃は、膝の痛みや腫れが中心ですが、しばらくすると靭帯のゆるみのために、膝の安定性が悪くなります
局所の圧痛や陥凹を触診することもあります
側副靭帯損傷の場合は膝関節伸展状態で外転、内転を強制することにより痛みの増強、不安定性が著明となります
前十字靭帯損傷の場合はラックマンテストや前方引き出しテストでエンドポイントが確認不可となります
検査・診断
X線撮影検査、CT、MRI、関節鏡検査などを行って損傷の程度を調べます
受傷直後に関節内に血がたまっていると十字靭帯の損傷が、皮下出血がみられると側副靭帯の損傷が疑われます
関節のゆるみの状態を知ることも診断には欠かせません
また、半月版と同時にいくつもの靭帯を損傷することも少なくはありません。
側副靭帯損傷の疑いがある場合には外反ストレステストや牽引アプライテスト
前十字や後十字靭帯損傷の疑いがある場合には前方引き出しテストや後方引き出しテスト、ラックマンテストを行って損傷の有無を調べます
治療
受傷直後は原則としてRICE療法を行い、保存療法の形を取ります
固定にはギプス固定や、手術、人体用の丈夫なサポーター(装具)が必要になり
固定除去後には、損傷した靭帯の補強のための筋力訓練も必要となります
損傷の程度によっては観血療法を選択することも多く
特に前十字靭帯損傷の場合は他の軟部組織の合併損傷や著明な不安定性が確認されるため
かなりの割合で観血療法を選択する事になります
岡本屋で治療するなら
岡本屋で膝内靭帯損傷を担当するなら、受傷直後の見極めを大切にします
前述のとおり、損傷の程度によっては手術を選択することが多い外傷ですので
保存療法が適当なのか否かを判断しなくてはならないからです
靭帯断裂等の観血療法が必要な高度損傷のケースは
連携させていただいている整形外科への紹介状を発効する等の対応を取らさせて頂きます
- 膝の不安定性と強い疼痛を訴える事が多いため、まずは患肢の固定と免荷を行います
- 膝の痛みが治まってきたら温熱療法や筋膜リリース等を用いて関節周囲の軟部組織や筋肉にアプローチします
- 固定除去後は膝関節の可動域の拡大と関節の安定性をテーマに運動療法を行います
気になる病気ひとくちコラム
●難聴
聴覚には伝音系と、感音系があります。伝音系には外耳道から中道までの空気の振動を伝えるところです。ここに障害が起きて、振動が伝わりにくくなって、聴力が低下した状態を伝音難聴といいます。原因で最も多いのは、中耳炎によるものです。一方、感音系には、音を感受する内耳から脳の聴覚中枢までをいい、ここに障害が起きて、聞こえが悪くなった状態を感音難聴といいます。もっとも多いのが内耳性難聴です。伝音難聴は手術や補聴器の使用で音を取り戻せることがありますが、感音難聴は治療が不可能なことが少なくありません。音や声が良く聞こえなかったり、耳鳴りなどを感じたら、早めに聴力検査を行いましょう。