脊椎損傷
背骨や背骨の中を走っている中枢神経の損傷を指します。
原因
脊椎損傷の多くは交通事故や高所からの落下など、大きな外力がカラダに作用することによって起こります。特に脊椎の上部にあって頭蓋骨を支えている頸椎は、力学上、脊椎の中でも最も骨折のリスクが高い部分となります。
症状
脊椎損傷では損傷部位の痛みが主で、カラダを動かすと痛みが増強します。脊髄損傷では、損傷した部位によって現れる症状が異なります。手や足(四肢)、胸や腹部(体幹)の感覚がなくなったり(知覚マヒ)、筋肉に力が入らなくなったり(運動マヒ)します。とくに、頚椎骨折が原因で脊髄の首の部分(頚髄)に損傷をきたすと、首から下のほぼ全身がマヒしてしまうこともあります。
検査・診断
X線撮影検査、CT、MRIなどで、脊椎の骨折や、脊髄の損傷の程度など詳しい状況を把握できます。また脊髄損傷は、現れたマヒの状態からもわかります。
治療
脊椎損傷は骨折ですから、脊椎の形を整えて固定します。手術が必要な場合もありますが、完全に治癒することが出来ます。脊髄損傷は脊椎損傷と同時に起こりやすく、治療の方針を立てるには、神経のマヒ症状がどの程度かを見きわめることが重要です。マヒは完全に回復する場合と、一部が回復する場合、あるいはまったく回復しない場合とがあります。
運動器ひとくちコラム
●骨粗しょう症
骨量(骨密度)が減少し、骨がもろく折れやすくなった状態を指します。加齢といった条件だけではなく妊娠後や閉経後、糖尿病、肝臓の病気、リウマチ、副甲状腺機能亢進症、運動不足などの条件から引き起こされるケースも存在します。原因になる病気を治療することは当然ですが、定期的に骨粗しょう症の検査をしておくことや、普段から適度な運動とカルシウムの多い食事を摂るようにするなど、健康管理をしっかりすることがとても重要です。