肋骨骨折
胸の前から背中にかけての部分を胸郭といいますが、この胸郭を形づくる助骨のが肋骨でありその骨折を肋骨骨折と言います。単純骨折では痛みが先行するだけですが、交通事故などで被った重症例では内臓損傷をきたす場合もあります
原因
胸に軽く何かが当たったり、咳が長く続いたとき、バットを強く振った瞬間など、いろいろな状況で骨折が起こります。
症状
損傷部の胸の痛みが、急にあるいは徐々に強くなってきます。痛みのために、せきをするのもつらく、着替えたり、起き上がることなども困難になります
強力な外力を受けて骨折した例では、肺や肝臓、脾臓、腎臓などの損傷を伴う事が少なくありません。肺損傷を合併すると、呼吸が苦しくなります。
検査・診断
肋骨骨折はX線撮影検査で診断が可能です。肺損傷はX線撮影検査でわかる場合もありますが、CT、MRI、超音波検査などで、より詳細に状況を知ることができます。
治療
全身的なからだの安静と胸部の固定が第一です。順調に経過しても、数週間は体を動かすときに痛みを伴います
痛みが取れたとしても、骨が癒合するにはそれからしばらくかかります
内臓損傷を合併する例では緊急性も高く、命にもかかわることもありますので、速やかに医師の診断を受けましょう
岡本屋で治療を行うなら
肋骨骨折においては固定するのが難しいため固定で骨癒合を促すことを優先するよりも、手技療法や温熱刺激、高周波などを用いて鎮痛ありきで治療を進めるようにします
- 高周波、筋膜リリースを用いて痛みのコントロールを行います
- 温罨法を用いて局所に温熱刺激を加え、組織の回復力を高めます
- 痛みの減少にあわせて運動療法を付加し、胸郭の自然な運動が再現できるようにPNFストレッチングを行います
運動器ひとくちコラム
●単純骨折と複雑骨折
骨折だけで皮膚は破れていない場合を単純骨折といい、皮膚が破れて出血を伴い、骨折部と外が交通している場合を複雑骨折、あるいは開放性骨折といいます。ばらばらに砕けて折れた場合は粉砕骨折といいます。