大腿骨頭壊死
大腿骨の骨頭という部分が、血行障害のために壊れている状態(壊死)です。
原因
けがや大量の飲酒、ステロイド剤の内服、喫煙、ダイビングなどが原因である場合と、全く原因不明のものとがあります。壊死する原因が分からないものを特発性大腿骨頭壊死といいます。また、ある程度、原因が分かっているもののうち、アルコール多飲が原因と考えられるものをアルコール性大腿骨頭壊死、ステロイド剤が原因であると考えられるものをステロイド性大腿骨頭壊死と呼んでいます。
症状
多くは急激に足の付け根(股関節)から太もも(大腿部)にかけて痛みが出現し、歩行時に痛みがひどくなったり股関節の動きが悪くなったりします。初期には安静を保てば痛みはおさまりますが、破壊が進むと持続的に痛むようになり歩行が困難になる事もあります。
検査・診断
X線撮影検査で大腿骨の骨頭部分の破壊の状況を調べます。MRIや骨シンチグラムでは、詳しく壊死の状態を知ることができます。
治療
大腿骨骨頭の壊死の程度や、年齢を考慮して治療方針を決めます。壊死の範囲が狭ければ、保存的治療で股関節にかかる荷重を減らして様子を見ることもありますが、壊死の範囲が広くなると、骨頭内圧を減圧させる手術的治療や、骨移植、大腿骨骨切り術などを行います。人工骨頭置換術や、人工関節置換術という手術もありますが、これらは大腿骨頭や骨盤の一部を人工物に換える手術ですからそれらが必要なときのみ行います。
運動器ひとくちコラム
●ペルテス病
主に6~7歳の男児(女児は少ない)が足の付け根(股関節)からヒザにかけて痛みを訴え、びっこをひく(跛行)病気です。原因は太ももの骨(大腿骨)の頭の部分(骨頭)に血行障害が生じたためです。大腿骨の骨頭がひどく変形しないよう早期に治療する必要があります。