ベネット損傷
野球歴の長い選手、特に投手に多く、肩関節窩後下方の骨棘(上腕三頭筋長頭起始部付近や関節窩後下縁の骨棘)をさす。クアドリラテラルスペースシンドローム(上腕骨、小円筋、大円筋、上腕三頭筋長頭とで出来る隙間のこと)における腋窩神経の絞扼を助長する一因と考えられています。
原因
投球動作により上腕三頭筋長頭や後方関節包に繰り返し牽引力が働いて起こる骨膜反応と考えられています。上腕三頭筋長頭や後下方関節包の拘縮を合併することが多いです。
症状
投球動作のコッキング期(手がグローブから離れてから、腕を最大に後ろに捻じるまでのこと)、フォロースルー期(指からボールが離れ腕が振り下ろされるまで)に肩後方の疼痛や脱力感を訴えます。肩関節後方に圧痛があり、外転(肩を水平にする運動)・外旋を強制すると肩の後方に疼痛を生じます。肩関節の内旋可動域が減少します。
検査
レントゲン検査、CT検査によって診断します。
治療
疼痛のあるときは投球を中止させ、冷罨法(冷やす)、固定、提肘をして運動を制限します。疼痛の軽減後はストレッチ、筋力増強訓練を行います。
気になる病気ひとくちコラム
●腹部大動脈瘤
腹部大動脈瘤では半数以上が無症状で、健康診断で偶然発見されることもあります。症状が現れる場合は、腹痛がもっとも多いのですが、腰部痛を訴えることもあります。ときには腹部に拍動を伴う腫瘤ができたり、足がむくんできたりします。