ド・ケルバン病
手首の腱鞘炎の1つで、特に手首の親指側の腱鞘炎になります。母指側の部分に腱が張って皮下に2本の線が浮かび上がりますが、ド・ケルバン病(狭搾性腱鞘炎)はその母指側の線である短母指伸筋腱と長母指伸筋腱が炎症を起こすことです。
原因
長母指外転筋と短母指伸筋が橈骨茎状突起と伸筋肢帯の間で絞扼され、摩擦のために炎症を生じるものです。
出産後に起る女性ホルモンの分泌の変化や、母指を連続して使用する中年すぎの女性に発生することが多いです。スマートフォンの画面をよく親指で操作する人も多く発生します。
症状
親指側の手首付近の腫れ、熱感、圧痛、運動時痛などが出現します。慢性の経過をたどるものは熱感は消失しているものの、多くは腫脹を残しています。
糖尿病患者では、ばね指や手根管症候群と合併して発生することが多いようで、タオルを絞るなどの動作でも痛みがでます。
検査・診断
親指を手のひらで包むように握らせ、手関節を小指側に倒させる(フィンケルスタインテスト)と、痛みが強くなり運動制限が出現すれば陽性です
治療
良性の疾患で多くの場合は親指にサポーターやテーピングなどを施し、親指への負担を軽くして局所の安静を図ります。また、痛みが強い場合には温罨法やレーザー治療器などの消炎鎮痛療法を併用して痛みのコントロールを行います。
しかし、症状が軽減してもまた親指を酷使していると再発しやすいので注意が必要です。
急性のものは母指を良肢位で前腕中央部からIP関節(第1関節)まで1~2週間の安静固定を行います。また、熱感のあるものには併せて4~5日冷湿布を施します。難治性のものは観血的(手術)に処置します。
岡本屋で治療を行うなら
まずは安静にして負担を軽減することが大切なので、作業を行うなどの際には痛みの出ていない側を使うなどの工夫が必要ですが、症状が軽減しても、また再発してしまう事もあるのですぐには患肢を使わない様にしましょう
- まずは炎症を抑えるために絆創膏固定、高周波を用いたハイボルテージ治療を行います
- 炎症が収まってきたら、筋膜リリースを用いて指先から肘までの機能訓練を行います
- 再発予防をテーマにPNFストレッチを用いた運動療法を行います
気になる病気ひとくちコラム
●咽頭炎
いわゆる「のどかぜ」といわれるもので、咽頭(のど)が痛みます。小児ではアデノイド(咽頭扁桃)や扁桃腺が腫れてきます。のどが赤く腫れぼったい状態になると、ウイルス感染に細菌感染も合併しやすくなり、熱やせきもでるようになります。