アキレス腱炎
アキレス腱はパラテノンといわれる薄い膜で覆われていて、この部分に炎症を起こしたものをアキレス腱炎といいます。剣道や陸上、ジャンプスポーツなどの選手に多いケガです。踵骨骨端症(小児に好発するかかとの損傷)とは疼痛部位に違いがあるため鑑別が必要です。
<原因>
基本的には、オーバーユース(使いすぎ)が原因です。その他に、「靴が合わない」「フォームが崩れてる」「偏平足である」「急に運動を始めた」「ふくらはぎの硬さ」「加齢」「肥満」などの条件が揃うとアキレス腱炎になるリスクが高くなります。
<症状>
主に、アキレス腱を軽く触ると痛みがあります。運動時や座っていて歩き始めるときにもアキレス腱周辺、踵付近にいたみがあります。痛みを我慢して運動を継続すると次第に軽減してきますが、痛みに気づいたときには運動を中止し、早目に医師に相談しましょう。
<検査・診断>
多くはアキレス腱を圧迫し痛みが誘発されるかで診断します。MRIや超音波画像診断装置を使い炎症所見を確認することで確定診断できます。
<治療>
一般的には、2~6週間の安静が必要です。接骨院では電気や超音波を使い治療を進めていき、治療開始から1~2週間ほどで症状は好転することがあります。その後アキレス腱のストレッチを行い、ふくらはぎの筋力強化も行っていきます。
<予防>
アキレス腱の牽引を防ぐために踵の高い履物を使用したり、足底挿板などを靴に入れたりなどをしても対応は出来ます。運動前のストレッチと運動後のアイシングによって炎症を予防することが出来ます。ストレッチでは特にヒラメ筋を伸ばすことがアキレス腱への負担を軽減することができ、スポーツ障害を予防するのに欠かせないものです。完治後練習メニューの見直しなどをし、再発を予防することが大切です。
気になる病気ひとくちコラム
●血液排出量
握りこぶし大で、重さ約200gほどの心臓は、一回の拍動で約80mLの血液を送り出し(拍出)、休むことなく働いています。1分間で約5L重さにして1日8t以上に相当する血液を送り出していることになります。送り出した血液は1分たらずで心臓に戻ってきます。