むちうち損傷
交通事故で追突されるような状況で、首に急激な外力が加わることで発症します。首の痛みなどが主症状となりますが、それに伴う頭痛やめまいなど様々な症状を見る事となります。
原因
瞬間的な外力が頭部に作用することで首がムチのようにしなり、首の靭帯や筋肉ときには神経などに障害を与えるために起きます。
症状
受傷直後は、軽い首の痛みや肩こり程度の症状でも、数日して徐々に症状が強くなったり、他の症状が加わったりすることが多くあります。症状は多岐にわたり、頭痛、吐き気、めまい、耳鳴り、首から肩や背中にかけての痛み、首から肩や背中にかけての痛み、肩から手にかけてのしびれや握力の低下などがみられます。また、目がぼやけたり記憶力や集中力の低下などを訴える事もあります。
検査・診断
Ⅹ線撮影検査では大きな変化を見る事は少なく、頚椎の正常な配列が乱れることがあるくらいです。しかし、脊髄(背骨の中を通っている中枢神経)の損傷が疑われる場合には、MRIなどの詳しい検査が必要なことがあります。
治療
受傷直後は首をカラー(頚椎装具)などで固定して、安静を第一とします。日常生活では首に負担の少ない姿勢(背筋を伸ばすなど)を工夫します。消炎鎮痛剤を内服して早く症状をとるようにし、必要に応じてリハビリテーションをします。症状が長期に及ぶことがあっても、あせらずに根気よく完治するまで治療を続けることが重要です。
岡本屋で治療するなら
岡本屋がむちうち損傷の治療を担当するなら、まず一番に行うことは痛みのコントロールになります。交通事故に起因するむちうち損傷は痛みだけではなく、めまいや耳鳴りなどの症状を伴うことが多く、日常生活を送る上で大変な障害となりうるからです。
- 筋膜リリースやハイボルテージなどの電療を用いてむちうちで痛めた首周りの筋肉の痛みを取り除きます
- 初期の安静期(受傷から約2週間)を経過し、状態が落ち着いてきたことを見計らって温罨法を行い、血液循環を促して損傷した組織の再生を早めます
- 痛みや硬さで狭まっていた頸部の運動域を広げるために関節モビリゼーションを行い、頸部と背部の正しい関節運動を確保します
- 運動療法では頸部と背部の運動性を獲得しつつ、互いの関節がスムーズに連動するようにストレッチやポールの体操を行います
運動器ひとくちコラム
●運動器
運動器とは体を動かすため、あるいはからだを支えるために必要な機能をもつ器官で筋・骨格系と神経系が含まれます。運動器としての筋肉は胃腸などを動かす平滑筋ではなく体の各部位の関節を動かしている骨格筋をさします。この筋肉には体の姿勢を保つ重要な働きもあります。骨格系は骨と軟骨から成り立っています。骨と骨は靭帯という丈夫な膜状あるいはひも状の組織でつながっています。この連結部が関節で、骨どうしが軟骨を介して接しています。神経系は脳から脊髄までの中枢神経と、そこから分かれて体中に広がっていく末梢神経をいいます。