バスケットボール選手とスポーツ障害
バスケットボールはアメリカ発祥のスポーツで、コート狭しと走り回る選手たちのスピード感とダンクシュートに代表されるようなダイナミックなプレイは見る者を魅了してやみません。
その人気は発祥の地アメリカではもちろん、様々な国でもプロリーグが結成されるほどで日本でも計38チームから成るBリーグが設立されており、人気のほどがうかがえます。
そんな人気のバスケットボールですが、選手同士の接触があるためか競技中のケガは意外に多く、その大部分が下肢に集中しています。
今回のコラムではバスケットボール選手に多いスポーツ障害を掘り下げ、その解決を探ってみようと思います。
バスケットボール選手に多いスポーツ障害
バスケットボールはその競技性から、選手の下肢を中心にスポーツ障害を招くケースが多くあります。
- 足関節捻挫:ジャンプの着地や、急な方向転換の際に足首を捻り捻挫に至るケースが多くあります。
- 前十字靭帯損傷:前十字靭帯は膝の前後の安定性に関係する靭帯ですが、足関節捻挫と同様に急激な方向転換やジャンプからの着地時に損傷することがあります。前十字靭帯損傷は手術の適用になる事が多く、長期のリハビリが必要になるケースがほとんどです。
- 肉離れ:プレー中の不意の動作や、コンディション不良等によりハムストリングや下腿三頭筋に肉離れを起こすことがあります。程度は様々ですが、重症例ではアキレス腱の断裂に至るケースもあり、その後の選手生命すら危ぶまれることもあります。
予防と対策
突発的なアクシデントからのイメージが強いバスケットボールのスポーツ障害ですが、実は様々な対策で予防することができます。
- ウォームアップとクールダウン:十分なウォームアップで血液循環を促せば、全身に血液がめぐり、下肢の筋肉や組織の柔軟性も上昇します。不意な動きにも対応できるようになりケガの予防につながります。運動後のクールダウンでは新鮮な血液が組織をめぐることにより筋肉の回復が促進し、疲労を軽減することができます。
- 筋力トレーニングとストレッチ:筋力トレーニングでは素早い動きに対応できるように体幹と下半身の強化が必要になります。また、柔軟性を高めるストレッチも取り入れることで関節の可動域を広げ、障害リスクを低減します。
- 定期的なメディカルチェック:定期的にメディカルチェックを受けることで、体の変調を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。
まとめ
バスケットボールはその競技の特性から相手選手との接触も多く、スポーツ障害の発症リスクが高い競技でもあります。
ジャンプの際の着地や急激な方向転換の際などでは下肢を中心に痛みを招くケースが多くあり、その多くは突発的なアクシデントによるものではあるものの
適切な予防策を講ずることができればスポーツ障害の発症リスクを大幅に下げることができます。