頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)
首の骨(頚椎)の後縦靭帯という部分が何らかの原因によって肥厚し、骨へと変化することで脊髄を圧迫し痺れや痛みなどの症状が出現します。疫学的には2:1で男性に多く40代に初発をみることが多くあります。この項では頚椎後縦靭帯硬化症として紹介しましたが、発症する部位は胸椎にも腰椎にも起こりえる病気です。
原因
その原因には遺伝的要因、性ホルモン異常、カルシウム・ビタミンDの代謝異常などの様々な要因が考えられますが、原因の特定には至っていません。また自然発症、転倒など軽徴な外傷を契機に発症する例もあります。
症状
両手足のしびれや痛み、手が思うように動かない、歩きずらいなどの脊髄の圧迫症状が中心です。背中や腰の異常を伴なうこともあり、頚椎だけにこの種の変性が起きるとは限りません。
検査・診断
X線撮影検査で診断がつきます。CT、MRI検査は、より正確に脊髄の圧迫状況を知ることができます。
治療
症状がなければ経過観察をしますが、日常生活に支障をきたすようなら、手術が必要になる場合もあります。急に後ろに首を反らすと、手足のマヒがひどくなる危険性が高いので注意が必要です。
運動器ひとくちコラム
●骨格
骨格は200個を超える骨でできています。そのうち脳や両眼、両耳を収容して保護する頭蓋の骨は29個、脊柱を構成するのは26個の椎骨、下背部は1個の椎骨で仙骨を形成しています。肋骨と胸骨は全部で25本あり、心臓や肺を保護しています。肢上や両手の骨は64本、下肢や脚部、足の骨は62本です。