中手骨頸部骨折
中手骨頸部とは、手の甲にある骨の指側の細くなった部分のことです。発生頻度が高く特に青少年に多い。しばしば高度の機能障害を残すことがあります。別名ボクサー骨折やパンチ骨折といいます。
原因
拳を強打し背側凸の屈曲力が中手骨頸部(手の甲にある骨の指に近い方)にかかることにより発生する。交通事故では、バイクや自転車のハンドルを握ったまま正面衝突するため発生します。第4、5中手骨(薬指と小指の手の甲の骨)に多いです。青少年の場合、最初の問診では、階段から落ちたなどの的を得ない受傷機序を話すが、実際は壁を殴ったりすることにより発生します。
症状
手の甲の著しい腫脹、疼痛、圧痛があり、虫様筋の作用により骨頭部が引っ張られて背側凸の変形をする。掌側(手のひら側)に屈曲転位し骨頭の隆起が消失します。後遺症として指が曲がったまま固まってしまい伸展の障害があります。伸筋群が断裂することによって、マレットフィンガー(第1関節が屈曲したり変形したりする事)が生じることがあります。
検査・診断
レントゲン撮影をし診断します。
治療
徒手制服を用いて変形や転位を取り除きます。その後3~5週の固定を行います。固定後3週頃から自動運動を開始し、4週頃固定を取り除きます。
岡本屋が治療を行うなら
骨折の治療の際に最も大切なことは、その固定肢位と安定性になります。
不安定な固定では骨折した部分のつながりが悪くなったり、折れた骨がつながらないまま固まってしまう事もあるため注意が必要です。
- ギプスでしっかりと固定します
- 骨がしっかりとつながるまでは低周波を用いた電療を行います
- ギブス除去後は温罨法を用いて血液循環を促し、固くなってしまった組織を柔らかくします
- 狭くなってしまった関節可動域を広げるために、PNFストレッチングや認知運動療法を持いて徒手訓練を行います
※トラブルの程度によっては治療の内容等に変更があることがあります。心配な方はカウンセリングの際にお申し出ください。
気になる病気ひとくちコラム
●胃けいれん
上腹部に突然激しい痛みが起こることは、一般的に胃けいれんと呼ばれていますが、これは病名ではなく症状を表現している言葉です。急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胆石、すい炎、虫垂炎の初期などにみられますが、心筋梗塞の症状の例あり、まず腹痛の正しい原因を調べることが大切です。