上腕骨骨端線離開(リトルリーガー肩)
上腕骨骨端線閉鎖前(肩関節から腕の方向に5cnほどいったところ)の成長期に繰り返し投球動作を行うことで、上腕骨の骨端線(子供の骨が縦方向に成長する場所)に負担がかかり骨どうしが離れてしまう状態のことです。好発年齢は10~15歳の少年野球の投手に多いと言われています。
原因
オーバーユース、投球動作でのフォロースルー期(ボールなどが指から離れた瞬間から)での急激な上腕の内転、伸展および内旋(手のひらを下に向ける動作)により上腕骨近位端成長軟骨にねじれと張力の過剰なストレスが加わり発生する。これらの負担を助長するのは上半身、体幹、下半身の柔軟性低下や筋力低下が挙げられます。
症状
投球動作時の疼痛が主訴であるが、疼痛を生じる投球相や部位は定まらず、肩全体に存在することが多い。圧痛は大結節ではなく骨端成長軟骨版の高さの側方にあり、腱板障害との鑑別が必要である。急性期には熱感があります。
検査・診断
レントゲンでの骨端線の離開の程度を確認します。骨の成長には個人差があるため必ず健側との比較を行います。肩の外側を押した時の痛みや腕を挙げた状態で後ろに捻った時の痛みを重要な所見となります。
治療
しばらくは運動を中止することとし局所の安静を図ります。安静時期には投球に関係する肩関節の柔軟性向上や下半身の柔軟性向上をテーマにリハビリを行います。また、現場では体幹の回旋やしゃがみこみ制限などフォームの改造を行う事もあります。重度の場合は3~4週間で改善することが多いです。
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