ジャンパー膝
ジャンプを頻回に繰り返すスポーツ選手に多くみられ、膝伸展機構の障害になります。病態としては膝蓋靱帯炎です。 ※ジャンパー膝のうち、膝蓋骨下極に小骨片を有する病態をシンディン・ラーゼン・ヨハンソン病といい、10代に好発します。
< 原因 >
急な加速や減速、ジャンプ、着地などのスポーツ動作の繰り返しにより、膝伸展機構(大腿四頭筋、膝蓋骨、膝蓋腱、脛骨粗面)に過度の張力が加わり発生する典型的なオーバーユースシンドロームです。
< 症状 >
膝に痛みがあらわれますが、特に膝蓋骨下極(膝の皿のすぐ下側)には圧痛がみられます。痛みのある部分に積極的に負担がかかるような動作(ジャンプやしゃがみ込みなど)の際に痛みがあらわれます。重症度の高い例では痛みのため膝がある角度以上曲がらなくなり、さらに曲げるとお尻が上がる「尻上がり現象」がみられます。
< 検査・診断 >
診断としては膝前面の疼痛・圧痛、局所の熱感、腫脹を確認できます。検査としてはレントゲン撮影では異常所見が確認できない為、超音波検査(エコー検査)で患部の状態を簡単に把握する事が出来ます
< 治療 >
炎症を抑えることが最優先となるので、運動を控えさせアイシングを行いましょう。もし、スポーツ活動をする場合は、運動前のストレッチ、運動後のアイシングなどのケアが重要です。ストレッチは大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)をメインにストレッチしていきます。次いで大腿二頭筋(太ももの後面の筋肉)、ふくらはぎのストレッチを行います。
運動器ひとくちコラム
●RICE処置
打撲や捻挫、肉離れ、骨折など外傷の手当の原則は安静(Rest)、冷却(Icing)、圧迫(Compression)、挙上(elevation)です。これらの処置を英語の頭文字をとってRICE療法と呼んでいます。